自己責任とは

「今、預けるなら、何がおすすめですか?」
「銀行の人にすすめられて、現金を全て外貨預金にしたのですが・・・」
日本人の特長で、みんなが集まるところにいくと、なぜか安心できるようです。
しかし、物理的に考えてみても、一ヶ所に集まれば集まるほど、不安定な状態になります。
そして、いつかその反動を、まともに受けてしまうのです。
経済でも、まったく同じことが言えます。戦後、日本の金融機関は護送船団方式のもと、
金融機関同士が競争することもなく、横並びの金融商品ばかりを販売してきました。
そんな時代には、消費者にとって商品を真剣に選ぶ必要性もなく、とりあえず、すすめられるままに預けたり、借りたりすれば、そこそこ恩恵があった時代だったのです。
つまり、消費者が直接自己責任を問われることはなかったのです。
ところが、金融の自由化とともに、自己責任という言葉を多く聞くようになりました。
自己責任とは、平たく言えば「自分で考えて行動し、その結果についての責任は自分で負う」ということです。
資産運用に特定して言えば、リスクもリターンも個人がみずからの責任で取捨選択し、運用結果も個人に帰属するというわけです。
しかし、ちょっと視点を変えれば、次の用に考えることもできるのです。
金融機関はどこも商品の差別化で、顧客を獲得しなければならなくなり、競争原理が働き、安くていい商品が増えきているのは事実です。