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ブランド食品
行政サイドから働きかける食品ブランド
農林水産省の「知的財産」施策
農林水産省では、人の知的創造活動によって生み出された「価値ある情報」(研究成果や農林水産業の現場における技術・ノウハウ、植物の新品種、ブランド化した農産物の名称、地域固有の食文化等)を「知的財産」と捉え、それらを積極的・戦略的に活用することによって、わが国農林水産業の競争力強化と地域の活性化を図るための取組を推進しています。
和牛 黒毛和種:

日本では平成15年現在、肉用牛が281万頭飼養されており(肉用種・乳用種あわせて)、このうち和牛(肉専用種)は170万頭です。また和牛の95%を占めているのは、黒毛和種です。
 中国地方で古くから飼われていた在来種に洋種(外国の品種)をかけ合わせて改良し、当時は役肉兼用種(農耕に使った後、肥育する)として利用していました。
褐毛和種:

褐毛和種とは、熊本(くまもと)県と高知県で飼われていた朝鮮牛を基礎とした赤牛に、明治以降にシンメンタール種や朝鮮牛を交配し、改良した品種です。
 熊本県では、阿蘇(あそ)地方の在来種に、明治40(1907)年に導入された2頭のシンメンタール種のオスを交配し、改良されました。大正12(1923)年には肥後牛の標準体型を作成し、登録事業が開始、昭和8(1933)年にはこれらを大幅に改正して改良の効果を上げました。
日本短角種:

日本短角種は、東北北部原産の肉用種で、この地方では古くから南部牛と呼ばれ、鉄鉱山での作業や太平洋からの塩の運搬に使役されていました。明治4(1871)年、この南部牛にアメリカから輸入されたショートホーン種とデイリー・ショートホーン種を交配して改良がすすめられました。
無角和種:

無角和種は、山口県阿武(あぶ)郡で在来和牛をアバディーン・アンガス種によって改良して生まれた品種です。
 大正9(1920)年に、広島県七塚原の、農林省(現在の農林水産省)畜産試験場中国支場で生産されたアバディーン・アンガス種と和牛の一代雑種のオスが山口県に貸し付けられ、これが発端になり、以来アンガス種による改良が続けられました。大正12(1923)年には標準体型が作成され、翌年に登録が開始されました。
大ヨークシャー種(ラージホワイト種):

イギリス・ヨークシャー原産の白色、大型の品種。と体は赤肉率が高く、加工品の原料として高い評価を得ています。発育も早く、純粋種としてはランドレース種についで多数飼育されています。
バークシャー種:

バークシャー原産の黒色で、鼻端と四肢の先と尾の先の計6カ所が白い「黒六百」といわれる毛色の特徴を持つ中型種。肉質が優れ、日本では鹿児島(かごしま)地方に多く飼育されており、「黒豚」の名で親しまれています。
ランドレース種:

デンマークで改良して成立したデンマーク・ランドレース種が基礎となった一群の品種。被毛は白色、耳は垂れていて体長が長く、後躯(こうく)が充実しています。背脂肪が薄く赤肉率が高くて、発育も極めて早いのが特徴です。
中ヨークシャー種:

ヨークシャー原産の白色・中型の品種。昭和30(1955)年頃までは日本の豚の95%を占める主要品種でしたが、発育が遅いため大型種におされて頭数は激減しました。
ハンプシャー種:

北米コーンベルト地帯原産の品種。毛色は黒地に肩の部分に白い帯があります。性質は活発、採食性が強いので放飼に適しています。体質は強健ですが、耐暑性がやや劣ります。
デュロック種:

合衆国東部原産の赤色の品種。耳は立っていますが、先端の2/3が前方に垂れる半垂耳。体質は強健で飼いやすい品種として有名ですが、四肢の故障が出やすいのが欠点です。
地鶏
比内鶏
【日本鶏】
鶏が東南アジアで家畜化されたのは古墳時代の少し前と考えられていますが、その後、明治維新までの千数百年の間に、西欧からの外来種の交配を受けずに成立したのが日本鶏で、次の17種が天然記念物に指定されています。
【地鶏】
地鶏は日本鶏の中でも最も古くから日本各地で飼われていた鶏で、高知県の小池鶏、三重県の猩々(しょうじょう)地鶏、岐阜(ぎふ)県の岐阜地鶏、山口県の徳地地鶏などが有名です。羽色は赤笹(あかざさ)、とさかは単冠でセキショクヤケイによく似ています。
【長鳴鶏】
鳴き声を楽しむ鶏として、3種の長鳴鶏があります。声の高いテノールの東天紅(高知県)、バリトンの唐丸(新潟県)、バスの声良(秋田県)です。出し、付け、張り、落し、引きから構成される謡いは20秒続きます。
【尾長鶏】
世界的に一番有名なのが高知県原産の尾長鶏で、「止め箱」と呼ばれる特別な箱で飼われた雄鶏の尾羽は、換羽(かんう)をせずに最高12mまで伸びます。起源は、平安時代以前に中国から渡来して報晨(ほうしん)、闘鶏に用いられた小国の説が有力でしたが、最近の研究では東天紅に近縁だとされています。
【その他】
蓑(みの)羽が地を曳(ひ)くほど長くなる蓑曳(みのひき)、闘鶏に使われる軍鶏、河内奴(やっこ)、薩摩(さつま)鶏、真っ黒な羽色の黒粕(かす)、脚が短い地頭鶏、肉味の優れた比内鶏、絹のような羽毛の烏骨鶏(うこっけい)、小型の愛玩鶏(あいがんけい)チャボ(※)、蓑曳チャボ、鶉(うずら)チャボなどがあります。
(※)愛玩鶏チャボ:ペットとして飼われた小型のチャボ。碁石(碁盤の上の碁石のような模様をしている)、達磨(尾がチョキンと切られたようになっている)、桂(かつら)、逆毛など、羽根の模様や形の異なるさまざまな種類がつくられた。

【地鶏というため生産基準】
(1)素びなが、日本在来種由来の血統を50%以上保有していること
(2)平飼いで80日齢以上飼育したもの
(3)28日齢以降、平飼いで飼育したもの
(4)28日齢以降、1m2当たり10羽以下で飼育したもの
など、地鶏肉の特定JAS規格(作り方JAS)認定条件が示されています。

薩摩鶏

尾長鶏

小国鶏       東天紅
(参考文献&写真:畜産ZOO鑑(ちくさんずーかん)HP)
和牛と国産牛の違いについて

偽装表示問題やブランド牛で話題になっていますが、大分改善されつつあるようですがスーパーなどでは消費者を錯覚させるような表示がまかり通っています。
あなたは良く知らないために紛らわしい表示にだまされてはいませんか??
ここではっきりさせましょう。

和牛とは
和牛(わぎゅう)とは明治時代に日本在来[注1]の牛に外国種を交配・改良した、食肉専門4品種の牛(後で詳説)のことで、血統的には、中国青海黄牛の一部と共通の祖先を持つと考えられている[注2]。主なものに但馬牛(神戸牛、松阪牛、近江牛などの素牛)がある。

≪和牛とは限られた品種のことで日本国産の牛=「和牛」と言うわけではないですからね。≫

・[注1] 従来種として現存しているのは、山口県見島産の見島牛で、天然記念物に指定されている。
・[注2] 和牛のルーツ
中国大陸北部でインド系の牛とシルクロードを経て入った欧州系の牛との交雑に端を発し、
朝鮮半島を経て日本に入ってきたものが在来化したと考えられる。

和牛は、一般に高価である。その理由としては、食用になるまでに一般の牛より時間がかかること、飼育方法に手が込んでいること、大量生産が難しいことなどが挙げられる。
また霜降りの肉など外国種ではできない。

公正競争規約上の定義(公取委公認の業界ルールの定義)
和牛とは、肉専用種で、黒毛和種・褐毛和種・日本短角種・無角和種の4品種とその4品種間の交雑種及び前記の交雑種を含む5品種間内の交雑種をいう。

この定義は、牛の品種を表した言葉で、産地は関係なく和牛だから「国産の牛」という意味ではない。そのため、「外国産和牛」も実際に生産されている。
また、和牛の内、9割以上を黒毛和種が占めている。

▼ただ流通上での表示の混乱(偽装や消費者を惑わす紛らわしい表示など)が問題になり、 2007年3月に農水省から表示に関したガイドラインが出た。

農林水産省ガイドライン(2007年3月26日発表)
「和牛」と表示する場合には次の3つの条件を満たすよう事業者に自主的な取り組みが促進されることを配慮するよう求めている。

[1] 黒毛和種など食肉公正競争規約で「和牛」と認めている品種に該当すること。
[2] 国内で出生し、国内で飼育された牛であること。
[3] 上記に該当することが牛トレーサビリティ制度で確認できること。
(トレーサビリティというのは血統がわかり、どこで生まれてどこで飼育されどこで肉にされたなどの記録がちゃんと残っていて証明できること)

これにより外国産の黒毛和種などはスーパーなどで和牛と表示して売ることはできなくなりました。例えば日本人の経営者がオーストラリアで牧場を開きそこで但馬牛の子を育てて肉にして日本に持ってくると和牛とは表示できないのです。こんな矛盾を含んでいます。
「オーストラリア産黒毛和牛」と表示してもいいと思うのですが...。

≪消費者が和=日本という意識が強いのと和牛が牛の品種だということがよく理解できないから国産のみにしてしまったわけです。
また、トレーサビリティを外国に制度として要求しても守られるかどうかわからず血統が乱れる心配もあり、また日本の生産者を守る意味もあったのでしょう。≫

「国産牛」とは(定義)
一般の人は国産牛というと国内で生まれ、育てられた牛のことを言うと思うでしょう。しかし、定義上は違うのです。

国産牛とは一定期間(輸入されてから3ヵ月間)以上日本国内で飼育されていれば国産牛と称される。こちらは品種と出生地は関係なく育成地(期間)の問題。
つまり生きたまま輸入すればアメリカ生まれだろうがオーストラリア生まれだろうが日本で3ヶ月以上飼育されていれば「国産牛」となります。

整理すると「国産牛」とは品種には関係なくとにかく日本で3ヶ月以上育ったすべての牛を言うので、国産牛のくくりには和牛もいれば和牛以外の日本の他の品種も外国の品種もさらには乳牛のホルスタイン種やジャージー種等も含まれます。

≪ここまでのまとめ
「和牛」は牛の品種、「国産牛」は牛の産地に関する表示なのです。≫

和牛と国産牛の違い (優しい言葉で言い直します)
☆「和牛」は日本の在来種をもとに、交配を繰り返して改良されたもの。
日本では現在、「黒毛和種」、「褐色和種」、「日本短各種」、「無角和種」と4種類しかありません。それらを掛け合わせた交雑種も和牛です。
これらの品種だけが「和牛」と呼ばれます。産地は関係ありません。

≪この定義の段階では当然アメリカ産の和牛もありなのです。≫

ところが和牛の定義の上ではDNAが問題で産地は関係ないのですが、食肉として売る場合の表示は別のガイドラインに従わなきゃいけないので変わってきます。

後で表示について説明しますが表示上は上の品種でかつ日本国内で生まれ国内で飼育されたものだけを「和牛」と表示しなさいということになりました。これで外国産の和牛は無しになったのです。

≪つまり牛としての定義と肉として表示するときの定義が違ってきてダブルスタンダードみたいでややこしいですね。≫

▼ここからは表示の問題です。買うときは要注意です。

☆国産牛とは
国内で生まれ育った牛は当然ですが外国産でも日本で3ヶ月以上飼育された後、肉にされると国産牛と表示できます。品種は関係ありません。
「国産牛」の定義からすると和牛も国産牛には違いないのですが、和牛は品質が良くて高く売れるので差別化のためにほとんどすべて「国産和牛」とか「国産黒毛和牛」と和牛という文字を必ず表示します。

≪ガイドラインでは和牛はすべて国産ですから前に国産とつけなくてもいいのですが念のためつけるようです。ちなみに実際に販売されている国産牛のうち、和牛は30-40%前後だそうです。≫

だから、単に「国産牛肉」とだけ表示のものは国産和牛以外の品種の牛で国産表示の条件を満たす(日本で一定期間以上飼育した)すべての食肉用の牛達の肉です。
品種としてはアンガス種や乳牛のホルスタイン種やジャージー種、交雑種などの肉があります。
乳牛のホルスタイン種やジャージー種で乳が出ない、役立たずの雄の牛の肉も立派な国産牛肉なのです。また乳牛と和牛を掛け合わせた交雑種も最近増えているそうです。

≪という訳で「国産牛肉」と表示の肉がアメリカ産やオーストラリア産と比べてすべておいしいわけではないのですよ。国産でこれは安いと喜んで買う人もいるけど実は安いのはほとんどホルスタインなど乳牛の雄の肉だそうですよ。(^_^)≫

牛にも代理出産がある。 乳牛が和牛を生む!
さらにまた、考えるやつがいるもので和牛の受精卵を乳牛の腹に持ってきて代理出産させている例もあります。乳牛が和牛(DNAは和牛)を生む。
和牛のほうが体が小さいので乳牛にとっては出産が楽、しかも高く売れる。これが流行りつつあるんだそうです。
人間では代理出産は日本では認められていませんが牛の世界ではどんどんやられています。進んでいますね。(??)

≪ただこうしてどんどん作ると生産過剰になって和牛の価値が下がり自分たちの首を絞めるのだけどね。≫

黒牛、黒毛牛にもだまされるな! 黒がついてても和牛ではない。
もう一つずるく巧妙な表示で黒毛和牛と錯覚しやすい表示は「国産○○黒牛」とか「国産黒毛牛」(和が無い)という表示。これは和牛ではありません。和牛と錯覚して買わそうとの狙いです。

豚肉の場合は、バークシャー種以外は黒豚と表示できませんが、「黒牛」の表示には、なんの基準もありません。体の一部分に(それが斑点程度でも)黒い毛があれば「黒毛」と表示してかまわないということです。

≪本物の和牛なら、「黒毛和牛」と、かならず「和」の字が入ります。これが入らない「黒牛」や「黒毛牛」の表示は、ホルスタイン系や外国種である可能性もあります。くれぐれも、牛肉の表示には惑わされないように気をつけましょう。≫

≪これは表示が正しいとしての話で偽装表示されていたらお手上げですが。≫




ブランド牛について ブランド牛の正体は?

肉もブランドの時代。ブランド牛のほとんどは国内の産地が名前につけられています。
神戸牛、松阪牛、米沢牛は三大和牛と呼ばれ代表的なブランドであり、これらは間違いなく血統正しい和牛です。品質も良いです。
ただ、皆さんが誤解していそうな面白ネタを紹介すると、

神戸牛というのは牛の名前ではない。
正しくは神戸肉、神戸ビーフで、牛としては兵庫県北部の但馬地方から淡路島まで兵庫県内で生まれ育った但馬牛(たじまうし)です。
その中から厳選されたで格付けの高い高品質(5段階ある品質ランクの4以上)のものをいいます。

松阪牛や米沢牛も実は但馬牛 三大ブランド牛は仔は同じ。
では、松阪牛や米沢牛という牛達はいて、この牛がチャンピオンなどと言っています。
ところが、松阪牛や米沢牛がその地方で松阪牛や米沢牛の血統の親から生まれた牛ではないのですよ。
実はこのブランド牛の親は神戸肉の元になっている但馬牛の仔で、但馬地方で生まれたその仔を松阪市周辺や、米沢市付近の牧場に持ってきてその地方の水やそれぞれのやり方で食事を与えたり手塩にかけて育てることで独特の味の肉牛に育てているわけです。気候風土の違いと育成ノウハウの違いですね。
だから、ブランド牛は生まれた土地より育成地の名前が付いているわけです。

ブランド牛肉と同じ肉でも特定の農協(組合)を通さないとブランド牛肉にはならない。
同じ牧場で同じように育てた牛の肉でも割当量などの関係で特定の組合を通さないで出荷するとラベルの違いでうまくてもブランド肉にはならない。
これは同じ豊後水道で釣れた鯖や鯵は関鯖・関鯵になって高く売れ、愛媛県側の漁港に水揚げすると安くなると似ていますね。

産地名が付いたブランド牛といえど50%は和牛ではない。
また、全国の産地銘柄牛の中で、なんと、50%近くが和牛ではないと言われています。
たとえば、ホルスタインの「十勝牛」は和牛ではないブランド牛の代表です。
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