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遺伝子組み換え食品
遺伝子組み換え作物とは、遺伝子組み換え技術を用いた遺伝的性質の改変によって品種改良等が行われた作物のことです。
大豆・とうもろこし等の遺伝子組換え農産物とその加工食品のうち下表に掲げるもの(農産物7作物および加工食品32食品群)については、「遺伝子組換え」や「遺伝子組換え不分別」との表示が義務付けられています。
遺伝子組換え技術とは? 人類は、非常に古い時代から、植物や動物を交配して改良したり、また酒やみそなどの食品を作るために微生物を利用したりするなど、生物の持つ機能を上手に活用してきました。
遺伝子組換え技術は、このような生物の持つ機能を上手に利用するために開発された技術の1つで、ある生物から目的とする有用な遺伝子だけを取り出し、改良しようとする生物に導入することにより、その有用な性質を付加する画期的な技術です。

これまでの育種技術と比べて
(1) 他の有用な性質を変えることなく、目的とする性質のみを付加できる
(2) 育種期間を短縮できる
(3) 従来の育種では交配できない生物の遺伝子を導入できる
などの特徴があります。
遺伝子組み換え農作物には、どんなものがあるの?
これまで実用化されている代表的なものとして、害虫に強い性質や除草剤の影響を受けない性質を導入した大豆、トウモロコシ、キャノーラ(ナタネ)、ジャガイモなどがあります。また、健康によいオレイン酸を多く含む大豆やゴールデン・ライスなど、消費者に直接メリットのあるものも開発されています。
1994年に世界で初めての遺伝子組み換え食品が、米国で誕生しました。これがフレーバー・セーバー・トマトと呼ばれるもので、完熟した状態でも日もちがよいのが特徴でした。
その後も、害虫に強い性質や除草剤の影響を受けない性質を持った農作物の開発が進められ、すでに大豆、トウモロコシ、ジャガイモなどの農作物が、米国やカナダなどで栽培されています。これら商品の開発によって、農家を悩ませてきた害虫退治や雑草取りによる手間やコストが減って、使用する農薬も減り、収穫量が増えるようになりました。
また、私たちの健康や栄養に直接メリットをもたらす農作物もあります。たとえば、高オレイン酸大豆のように、従来の大豆の脂肪酸組成よりも健康によくて、しかも新鮮さが長もちするものなど、その代表例といえるでしょう。
このように、遺伝子組み換え農作物は、従来の農作物に役に立つ性質がつけ加えられたものなのです。
安全性を確保するための仕組み 遺伝子組換え農作物に関しては、
(1)食品としての安全性は「食品衛生法」
(2)飼料としての安全性は「飼料安全法」
(3)生物多様性への影響は「カルタヘナ法」
に基づいて、それぞれ科学的な評価を行い問題の無いもののみが栽培・流通される仕組みとなっています。
また、「食品衛生法」および「JAS法」により、遺伝子組換え食品の表示を行うこととされています。
遺伝子とは 親の特徴(形質)が子へ、さらに孫へ...と受け継がれることを「遺伝」といい、この遺伝をつかさどっているのが「遺伝子」です。つまり、どのような形質を現すかを決めているもの(遺伝子)があって、これが次の世代に受け継がれる(遺伝する)わけです。遺伝子は細胞の核の中の染色体に含まれていて、DNAという物質でできています。どのような形質を現すかという遺伝子の指令は、実際には、どのようなタンパク質をつくるかという遺伝暗号(4種類の塩基の並び方)としてDNA上に書かれています。遺伝暗号に基づいてつくられたタンパク質が、細胞をつくる材料となったり、細胞のなかで起こるいろいろな物質の変化をつかさどったり、あるいは他の遺伝子の働きを調節したりしています。遺伝子の違いがタンパク質の違いとなり、形質の違いとして現れます。例えば、お米には粘りの少ない粳(うるち)米と粘りの強い糯(もち)米がありますが、粳のイネには粳にする遺伝子があります。この遺伝子の遺伝暗号をもとにつくられるタンパク質は、粘りの少ないデンプンを合成します。その結果、粳という形質が現れます。また、粳イネの種籾を播くと粳米ができますが、これは粳の遺伝子が次の世代に受け継がれることによります。
遺伝子組み換え不分別とは 「遺伝子組み換え不分別」とは、「分別生産流通管理(IPハンドリング)をしていない」、つまり「非遺伝子組み換えのものと遺伝子組み換えのものを流通過程で分別していない」ということを意味します。通常、大豆やトウモロコシなどでは、分別生産流通管理は行われていません。コストを下げるために各生産地からのものを一箇所に集積して、大量輸送を行っています。
大豆を例にとると、現在、世界で使用されている大豆のほとんどは、流通の各段階で各生産地のものが混ざった不分別の大豆です。「不分別」というのは、「分別生産流通管理を行っていない」、つまり、「非遺伝子組み換えのものと遺伝子組み換えのものを流通過程で分別していない」という意味です。  特定の大豆を分別するためには、農家から集荷所、荷積み拠点、港湾荷役施設、港、コンテナ、サイロ、倉庫など、すべてのチェックポイントで専用のルートを確立しなくてはなりません。このための余分な費用がかかります。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』、「本当はどうなの?遺伝子組み換え食品」

加工食品32食品群



大豆(枝豆および大豆もやしを含む)の
加工食品
とうもろこしの加工食品 ばれいしょの加工食品
1 豆腐類および油揚げ類
2 凍豆腐、おからおよびゆば
3 納豆
4 豆乳類
5 みそ
6 大豆煮豆
7 大豆缶詰および大豆瓶詰
8 きな粉
9 大豆いり豆
10 1〜9を主な原材料とするもの
11 調理用の大豆を主な原材料とするもの
12 大豆粉を主な原材料とするもの
13 大豆たんぱくを主な原材料とするもの
14 枝豆を主な原材料とするもの
15 大豆もやしを主な原材料とするもの
16 コーンスナック菓子
17 コーンスターチ
18 ポップコーン
19 冷凍とうもろこし
20 とうもろこし缶詰および
 とうもろこし瓶詰
21 コーンフラワーを
 主な原材料とするもの
22 コーングリッツを
 主な原材料とするもの
 (コーンフレークを除く)
23 調理用のとうもろこしを
 主な原材料とするもの
24 16〜20を
 主な原材料とするもの
25 冷凍ばれいしょ
26 乾燥ばれいしょ
27 ばれいしょでん粉
28 ポテトスナック菓子
29 25〜28を
 主な原材料とするもの
30 調理用のばれいしょを
 主な原材料とするもの
31 アルファルファを
 主な原材料とするもの
32 てん菜(調理用)を
 主な原材料とするもの







参考:福井県農林水産部HP