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 (旧・栄養改善法/所管府省:厚生労働省)

健康増進法と健康食品
健康増進法は、国民保健の向上を図ることを目的とした法律で、主に以下の5点から、健康食品に関わっています。
栄養成分や熱量に関する表示を行う場合の基準
エネルギーや、たんぱく質などの栄養成分等の含有量などを表示する場合や、「高カルシウム」、「ビタミンC含有食品」などの栄養成分に関する強調表示をする場合には、「栄養表示基準」に従った表示が必要です。
栄養表示基準とは?
栄養表示基準は、健康増進法第31 条に基づき定められており、販売に供する食品(特別用途食品を除く。)に、厚生労働省令で定める栄養成分又は熱量に関する表示(以下「栄養表示」という。)をする場合に適用される基準です。
本制度は、販売に供する食品の栄養成分等の表示に一定のルール化を図り、消費者の方へ食品を選択する上での適切な情報を提供することを目的にしています。
栄養表示は義務表示ではないですが、販売に供する食品の容器包装及び添付文書に栄養表示をする場合や、厚生労働省令で定める栄養成分の総称、その種類である栄養成分、別名称、その構成成分、前躯体その他これらを示唆する一切の表現が含まれた表示を行う場合には「栄養表示基準」に従って表示しなくてはなりません。
虚偽・誇大な表示の禁止
健康増進法で、禁止されている表示(広告)は、以下のようなものです。
・食品として販売に供する物について、医師等の診療によらなければ保健衛生上重大な結果を招くおそれのある重篤疾病の治療(予防)を目的とする、根拠が適切でない広告その他の表示(薬事法にも抵触)
・「厚生労働省許可(輸入販売も含む)」等、その健康保持増進効果について、厚生労働省等がお墨付きを与えていると誤認させる誇大表示
特定保健用食品の許可・承認
「おなかの調子をよくする」、「血圧が高めの方に」などの保健の目的を表示する場合には、特定保健用食品としての許可(承認)申請が必要です。
栄養成分の機能を表示する場合の基準
ビタミン(12種類)やミネラル(5種類)の栄養成分の機能を表示する場合には、定められた規格基準に合致する製品であることと、定められた表示を行う必要があります。
特別用途食品の許可・承認
乳児用、幼児用、妊産婦用、病者用等の特別の用途に適する旨の表示をしようとする場合は、特別用途食品としての許可(承認)申請が必要です。
この法律に基づく制度として、次のようなものがあります。

1)保健機能食品制度
 消費者が安心して食生活の状況に応じた食品の選択ができるよう、適切な情報提供をすることを目的として、いわゆる健康食品のうち、一定の要件を満たすものを「保健機能食品」と認めるもので、次の2つに分類されます。
 栄養機能食品
 高齢化や食生活の乱れなどにより、通常の食生活を行うことが難しく、1日に必要な栄養成分を摂れない場合などに、栄養成分の補給・補完のために利用してもらうことを趣旨とした食品です。規格基準や表示基準はありますが、厚生労働大臣への許可申請または届出は不要です。
 特定保健用食品
 からだの生理学的機能などに影響を与える保健機能成分を含んでおり、血圧、血中コレステロールなどを正常に保つことを助けたり、お腹の調子を整えるのに役立つなどの、特定の保健の用途のために利用されることを趣旨とした食品です。厚生労働大臣の許可または承認が必要です。

2)特別用途食品制度
 特別用途食品は、健康増進法第26条に規定された食品で、厚生労働大臣の許可が必要です。
 特別用途食品には、病者用食品(低カロリー食品、低ナトリウム食品などの病者用単一食品および糖尿病食調整用組合せ食品などの病者用組合せ食品)、妊産婦、授乳婦用粉乳、高齢者用食品があります。

3)栄養表示基準制度
 この制度は、販売する食品に栄養成分・熱量について邦文で何らかの表示を行う場合、その栄養成分・熱量だけでなく、国民の栄養摂取の状況からみて重要な栄養成分・熱量についても表示することを義務づけるほか、その表示が一定の栄養成分・熱量についての強調表示である場合には、含有量が一定の基準を満たすことを併せて義務づけたものです。

強調表示とは

 栄養表示基準における強調表示とは、ある栄養成分について、当該食品中に高い旨または含
む旨、低い旨または含まない旨(絶対表示)、さらに、強化された旨または低減された旨(相
対表示)を強調することを指します。
 単に、高い旨や低い旨を強調する場合には、定められた当該栄養成分の下限や上限の基準を
満たしていなければなりません(絶対表示)。
 ある栄養成分の含有量が、他の食品と比べて基準に定める量以上に多くなっていたり、少な
くなっていることを強調表示する場合、基準に定める量以上に強化・低減していなければなら
ないとともに、比較対照食品名と強化または低減した量や割合を表示しなければなりません
(相対表示)。
 これらの強調表示のうち、厚生労働省令で定められた栄養成分について強調する場合には、
厚生労働大臣の定める基準(それぞれの栄養成分の含有量など)を満たしていなくてはなりま
せんが、その表現については下記に示したものの他いろいろな表現が可能です。

強調表示 絶対表示 高い旨 「高」「多」「豊富」「リッチ」など
含む旨 「源」「供給」「含有」「入り」「使用」「添加」など
低い旨 「低」「ひかえめ」「少」「ライト」「ダイエット」など
含まない旨 「無」「ゼロ」「ノン」「レス」など
相対表示 強化された旨 「○○%強化」「△△g増強」など
低減された旨 「◇◇%低減」「□□gカット」など

<表示例>
「カロリー50%カット」なら
標準栄養成分
(100g当たり)
エネルギー 230kcal
たんぱく質 ××g
脂質 ××g
炭水化物 ××g
ナトリウム ××mg

当社従来製品に比べて
カロリー50%カット
「カルシウム豊富」なら
標準栄養成分
(1食分20g当たり)
エネルギー ××kcal
たんぱく質 ××g
脂質 ××g
炭水化物 ××g
ナトリウム ××mg
カルシウム 50mg
「塩分控えめ」なら
標準栄養成分
(1食分100g当たり)
エネルギー ◇kcal
たんぱく質 ◇◇g
脂質 ◇◇g
炭水化物 ◇◇g
ナトリウム 120mg
食塩相当量 0.3g

4)虚偽誇大広告等の禁止
 健康保持増進効果等に関する広告等について、「著しく事実に相違する」または「著しく人を誤認させる」ような表示はしてはいけません。例えば、以下のような表示は、表示内容のみで事実と相違するまたは人を誤認させると判断できるため、規制の対象となります。
 医事・薬事・健康増進等に関連する事務を所掌する行政機関等による認証、推薦等を取得していることを表示していても、そのような制度が実在しない場合や当該認証等の制度の趣旨とは異なる趣旨で表示することにより、健康保持増進効果等が認証等を受けたものと誤認させる場合
表 示 例 考 え 方
厚生労働省から輸入許可を受けたダイエット用健康食品です。  食品の輸入に当たって、厚生労働省が個別の許可を行う制度は設けられていないが、こうした表示をすることにより、厚生労働省が当該健康食品の効果を個別に認証していると認識されて、健康の保持増進の効果があることが確認されていると誤認される。
 医師や歯科医師の診断・治療によらなければ一般的に治癒が期待できない疾患について、医師または歯科医師の診断、治療等によることなく治癒できるかのような表現を用いている場合
表 示 例 考 え 方
医者に行かずともガンが治る!  通常、がんのような重篤な疾病は、医師による診断および治療が必要となるが、こうした表示は、医師による診断治療がなくとも、当該疾病が治癒することができると誤認を与えるため、誇大表示に該当する。
 最上級(最高、絶対、抜群)などの表現を用いている場合
表 示 例 考 え 方
最高のダイエット食品  通常、健康の保持増進の効果は、個々人の健康状態や生活習慣等多くの要因により異なっており、現存する製品の中で最高の効果を発揮することは立証できないため、最上級の表現を用いる広告等は虚偽表示に該当する。
 断定的な表現にはよらずに、伝聞、他者の表現等を通じて健康の保持推進の効果がある可能性を表示している場合
表 示 例 考 え 方
○○に効くと言われています。  「××は、○○にいいと言われています。」等と伝聞調により表示し、世間の噂・評判・伝承・口コミ・学説等があること等をもって、健康の保持増進の効果がある旨を強調し、または暗示するものについても、例えば、○○の内容が医師または歯科医師の診断、治療等によらなければ一般的に治癒できない疾患に係るものである場合には、当該食品によって当該疾病を治癒することができると誤認を与えることとなるため、誇大表示に該当する。
 また、「言われています」という表現を用いることにより「誰が言っているのか」等を敢えて明示せず、曖昧な表現により反証の余地を最小化したとしても、○○の内容が社会通念に照らして事実と認め得ない場合には虚偽表示に該当する。
※厚生労働省作成
「食品として販売に供する物に関して行う健康保持増進効果等に関する虚偽誇大広告等の禁止および広告等適正化のための監視指導等に関する指針(ガイドライン)に係る留意事項について」より 
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参考:福井県農林水産部HP