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パソコン塾

1.パソコンレスキュー

 パソコンにはトラブルがつきもの。そんなとき慌てないように自分で解決しよう
パソコンが動かない」「プリンターがつながらない」「ソフトがよく止まってしまう」…。
パソコンを使っていると実にさまざまなトラブルに見舞われる。
だが、メーカーのサポート窓口にすぐに電話をするのは、あまりお勧めできない。サポートへの電話はつながらないことが多いし、事前にトラブルの現象や原因として思い当たることなどの情報収集をしておかないと、十分なアドバイスは受けられない。結局、サポート窓口に何度も電話をかけ直すことになり、解決までに余計な時間がかかるからだ。
実は「トラブルの多くはユーザーの設定ミス」が原因で、基本的な対処でユーザー自身が解決できるものがほとんどだ。そこで、トラブルに遭ったときにどう対処すればよいのか、基本的な考え方をまとめた。慌ててサポートに電話をかける前に、まずはこれらの鉄則を確認してもらいたい。
なお、試しても解決しない場合は、サポートに連絡することになる。この場合も既に状況や試したことが分かっているので、的確なアドバイスを受けやすくなる。
パソコンレスキューの構成
あらゆるトラブルに対応できる本ページのパソコンレスキュー、そしてハードウエアレスキュー、ソフトウエアレスキュー、ネットワークレスキューという各分野ごとに構成されています。
>>> ハードウェアレスキュー
>>> ソフトウェアレスキュー
>>> ネットワークレスキュー
慌てないための3つの基本
メモをする習慣を パソコンは購入後、さまざまな周辺機器やソフトウエアを追加して使うことが多い。追加したときには、製品名、メーカー名などを忘れずに書きとめておこう。パソコンが起動しなくなった場合に備えて、このメモはパソコン内部に保存せず、ノートなどに書いておく方がよい。
これらが分かっていれば、メーカーのWebサイトで不具合に関する情報を検索するときに役立つ。さらに、サポートに電話するときも、スムーズに自分の環境を伝えられる。
マニュアルは手元に パソコンだけでなく、周辺機器やソフトウエアなどのマニュアルも、必要に応じてすぐに見られるようにしたい。
マニュアル類はかさばるため、しまいこみがちだが、実は多くの大事なことが書いてある。特にトラブル対策ガイドなどは、困ったときに真っ先に読み直せるように保管する。
また、周辺機器やソフトの購入時には、最初に必ずインストールガイドを読むこと。初期のトラブルのほとんどは、インストールガイドを読まずに作業を行ったことが原因だ。インストールガイド通りにやれば余計なトラブルは防げる。
バックアップは大事です これさえきちんとやっておけば、どんなトラブルも怖くはない。トラブルに遭っても安心して対策を試すことができる。
バックアップすべきデータはユーザーの使い方によってさまざまだが、主なものを下の表にまとめた。自分が作ったデータは世界に一つしかない大事なもの。忘れずにバックアップしておきたい。ネットワークの設定や会員サイトのパスワードなど、各種設定も忘れないようにしよう。
何はともあれ「再起動」

トラブルが起きたときら、まずすべきなのがパソコンや周辺機器の再起動だ。アプリケーションソフトや周辺機器を追加するときにはパソコン自体の動作が不安定になることがある。このようなときは再起動することで、直ることが多い。
長時間使っているだけでパソコンは不安定になることがある。アプリケーションの起動や終了を繰り返すうちに、使用しているメモリーの一部が使えない(いわゆるゴミが残る)状態になることがあるからだ。これも再起動すれば、ゴミは消えてメモリーはきれいになる。次にすべきなのが、電源やディスプレイなどパソコンを取り巻く各種ケーブルがきちんと差さっているかの確認だ。ケーブルが外れて動作しないというトラブルは意外に多い。
一度抜いて差し直してみるなど、しっかり確認しよう。
ネットワーク関連のケーブル類も要チェックだ。電話回線経由でインターネット接続しているユーザーは、電話線のコネクターをパソコン本体のLAN端子に入れるといった間違いを犯していないだろうか。ADSLなどブロードバンド環境のユーザーはLANケーブルとADSLモデム、ルーターや電話線などの接続が正しいか、配線図を見ながら再確認しよう。

「直前の作業」を思い出す

トラブルを解決するには、情報収集は欠かせない。どのような現象が起きているのか、できればトラブルの原因も把握しておく必要がある。このとき最も重要なのは、トラブルが発生した直前にどのような作業をしたかを思い出すことだ。周辺機器の追加、ソフトのインストール、パソコンの移動など、トラブルの原因となる行為を思い出そう。決まった手順で操作するとトラブルが起きるなど、再現性が分かるとなおよい。
エラーメッセージが表示されたときは、すぐに「OK」や「キャンセル」ボタンを押さずに、何が書かれているかをメモする。サポート情報を検索するとき、このメッセージの内容から原因を調べられるからだ。
手元の情報を活用トラブルの現象や原因が分かったら、まず手元にある情報を活用して対策を考える。多くのメーカーは、トラブル解決のためのマニュアルを添付しているので該当例がないかを調べてみよう。

最近のパソコンは、各種サポート情報を調べるための専用ソフトをプリインストールしていることが多く、トラブルの事例も最新のものに更新されている場合がある。パソコンが起動するなら、冊子のマニュアルと同様にこれらのサポート専用ソフトも活用して、対策を探そう。
インターネットに接続できるならメーカーのWebサイトも活用したい。各メーカーともWebサイトでの情報提供には力を入れている。サービス内容はメーカーごとに異なるが、文章で質問できるQ&A検索、ユーザーの利用機種ごとの不具合情報、解決の道筋を見つける作業手順の紹介など、まさに情報の宝庫だ。

サポートの電話は冷静に

これらの大鉄則と、次ページ以降に紹介するハード、ソフト、ネットワークの各鉄則を試してもトラブルが解決しない場合、最後の手投はメーカーのサポート窓口への電話での直接問い合わせだ。
自力で解決できないなら、最初からサポート窓口に電話をすれば良いと思うかもしれないが、トラブル解決に使った時間は決して無駄にはならない。サポート担当者に、トラブルの現象や解決のために試したことなどを説明できれば、より的確なアドバイスを受けやすくなるからだ。
一般的に、メーカーのサポート窓口は、休み明けの月曜日の午前中や、夕方のサポート時間終了間際は混むので、この時問帯を避けた方が電話はつながりやすくなる。

問い合わせるときは、トラブルが起きたパソコンの前で、実際に操作しながら説明していくと解決も早い。何よりも大事なのは、冷静に話をすることだ。トラブルが起きて顔に血が上ったままだと、状況がきちんと説明できなくなる。深呼吸をして頭を冷やし、話す内容を整理してから電話をかけるようにしよう。

参考書籍:日経パソコン