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パソコン塾

2.ハードウェアレスキュー

 パソコンにはトラブルがつきもの。そんなとき慌てないように自分で解決しよう
ハードに絡むトラブルの原因を探る際に、手当たり次第にあちこちをいじるのは時間の無駄だ。
以下に紹介するのは、パソコン本体や周辺機器などハードが原因と思われるトラブルを解決するための10の鉄則だ。今まで問題なく動作していた場合や新しく機器を追加した場合を問わず、ハード絡みのトラブルはこれらを順番にチェックしていくことで、原因を見つけ出し、問題を解決するまでの時間を大幅に節約することができる。

まず、トラブルが起きた際には、パソコン本体や周辺機器の電源を入れ直してみるのが基本だ。このとき動作がおかしいと感じられる機器は外して起動してみる。パソコン本体は正常に起動するようなら、不具合の原因はその機器にあることが分かる。機器自体の動作がおかしいと分かっている場合でも、電源を入れ直すことで正常に戻ることもある。

機器のランプもしっかり見ておく。

マニュアルを参照して正常動作時のつき方になっているか確認しよう。内蔵機器が認識されない、電源を入れても何も表示されないといった場合、パソコン内部を確認してみよう。パソコンのきょう体を開けるときには、電源をオフにしておくのはもちろんだが、電源ケーブルも抜いておく。最近のパソコンは、電源がオフでもマザーボードには微弱な電流が流れているため、ショートにより機器が破損するのを防ぐためだ。

内蔵ケーブルは要確認

パソコンを開けたらメモリーやPCIボードなどがしっかり装着されているかを確認する。電源を入れたのに画面に何も表示されない場合、メモリーがきちんと装着されていない可能性がある。奥までしっかり差し込んでいるか確認しよう。
続いて、ハードディスク(HDD)やフロッピーディスク(FDD)などケーブル類のチェックだ。

HDDやCD−ROMなどIDE機器を増設したのに認識されない場合は、IDEの設定を確認する必要がある。一般的なパソコンのマザーボードではIDE用コネクターは2個あり、1個のコネクターに2台のIDE機器が接続でき、2台接続する場合は一方をマスター設定、もう一方をスレーブ設定にする。マスターとスレーブの設定は、ジャンパーピンにキャップをかぶせて行う。ここをきちんと設定しないと、機器がうまく認識されない。
どのピンにキャップをかぶせるかは、機器の表面やマニュアルに書かれているので、正しく設定する。

メモリーやHDDなど内蔵機器の装着や設定を確認したら、パソコンを起動してBIOS設定画面を表示してみる。BIOS設定画面の出し方はパソコンによって異なるが、起動中に[Fl][F2][Delete]などのキーを押して表示することが多い。
ここで、搭載しているメモリー容量やIDE機器の名称が確認できる。
パソコンから異音が聞こえてくる場合は、どこの音かを確認する。何らかのトラブルで異音が生じるのはモーターを搭載している電源やCPUの冷却フアン、HDDなどが多い。

CPUフアンが停止するとCPUが冷却されずに焼けてしまうこともあるし、HDDが壊れれば大事なデータを失いかねない。どちらも重大なトラブルなので、パソコンから聞こえてくる異音には敏感に対処する。

ドライバーの入れ方に注意

ここまでは本体関連のトラブル対処の鉄則を紹介したが、以後は機器を増設した際の注意点だ。
パソコンで周辺機器を利用するには、その機器に適したデバイスドライバーをインストールしなければならない。
このドライバーの組み込みには注意が必要だ。機器を接続する前には必ずマニュアルを読んで、それに従ってドライバーをインストールするのが基本だ。
USB接続のプリンターなどは接続する前に添付のCD−ROMからドライバーをインストールしないとうまく機器を認識しないことがある。
WindowsXPは標準で多数のドライバーを内蔵しているため、周辺機器を接続しただけで使えることもあるが、必ずマニュアルの手順に従おう。WindowsXPに付属する標準ドライバーを推奨しているメーカーもあるが、たいていは自社製ドライバーの利用を薦めている。メーカー製ドライバーの方が機器の性能を最大限引き出すことができて機能も豊富だ。また、「Windowsが標準搭載するドライバーにはバグがある場合もある」(ある周辺機器メーカー)。

デバイスマネージャで確認ドライバーがきちんと組み込まれたかどうかは、コントロールパネルにある「システム」の「デバイスマネージャ」で確認できる。この画面で「?」が表示された機器は、Wihdowsが認識していないことを表している。

いったんドライバーを削除するか、機器を外して再度ドライバーをイントールしてみよう。
なお、ドライバーを入れ直す際には、なるべく最新のドライバーを使うのが望ましい。最新版ではそれまでの不具合が解消され、機能が向上している可能性があるからだ。ほとんどの周辺機器メーカーは、Webサイト上でドライバーを提供しているので、自分のOSに合わせて最新版をダウンロードすればよい。
また、メーカー製ドライバーのインストール中に、「Windowsローゴテストに合格していません一重大な障害を引き起こす要因となる可能性申ミあります〜」といった‘‘コワい’’メッセージが現れ、インストールを続けても良いのか不安を覚えることがある。実は、これはマイクロソフト自身が検証していないドライバーであるという意味のメッセージにすぎない。多くの周辺機器メーカーは自社できちんと動作を検証しているので、「続行」ボタンを押してインストールを続けても問題ない。
ドライバーを入れ替えてもうまく動かない場合は、別の端子やスロットに接続したり、USBケーブルの場合はハブ経由ではなく直溝本体に接続するなど、機器の接続する場所を変えてみよう。これで動作すれば、端子やスロット、ハブがトラブルの原因ということになる。なお、ハードウエアのリソースが原因で起きるトラブル(特にIRQの共有による不具合)は、WindowsXPでは解消できないことも多い。この場合は不要な機器を外してIRQの共有数を減らすなどの措置を試そう。
参考書籍:日経パソコン